最近では、バリエーションに富んだ市販のヘアカラーも販売されていますので、セルフでカラーリングを楽しむ方は多いのではないでしょうか。しかし、意外と知られていないのが、ヘアカラーを行う頻度の目安です。
目次
ヘアカラーはどれくらいの頻度ですればいい?
ヘアカラーとはいっても、その方法によってベストなタイミングが異なる場合があるのです。それでは、ヘアカラーの使い方別に適した頻度をご紹介していきます。
全体染めの場合
初めてヘアカラーする方の場合では、まずは全体染めをしてイメージを確認することが多いですよね。では、全体染めの場合では、どれくらいの頻度でカラーリングするのがベストなのでしょうか?
実は、ヘアカラーは直後のシャンプーから少しずつ色が褪せるといわれており、初めての方の場合では、1回目から3週間後を目安として染め直しをするのがベストです。
それ以前に色が褪せてしまったからといって、あまり間隔を空けずにヘアカラーすると、髪が傷んで枝毛や切れ毛の原因になることがあります。特に毛先は傷みやすいですので、全体染めは頻繁に行なわないように注意しましょう。
リタッチの場合
リタッチは全体染めとは異なり、すでにヘアカラーしてある髪の根元部分をターゲットとして行なうものです。リタッチの場合では髪全体が傷むことはありませんが、頻繁に行なうと頭皮にダメージが及ぶリスクが高まります。
髪は1ヶ月間で約1cm程度伸びるといわれていますので、2週間では0.5cm程度伸びる計算になります。しかし、タイミングとしては2週間ではまだ早いと考えられるため、やはり3週間程度は待ってから行なうのがベストでしょう。
ブリーチの場合
ブリーチ剤はヘアカラーと違って、施術後に色が褪せることはありません。しかし、髪が伸びてくるとブリーチした髪と新しく伸びてきた髪との差がはっきりと現れて目立ち、いわゆる”プリン状態”になってしまいます。
つまり、あまり期間を開けないほうがきれいな状態を保てるということですので、やはり3週間前後を目安として行なうのがベストでしょう。
また、ブリーチはヘアカラーよりも髪のダメージを早めると考えられていますので、全体的にブリーチをするのなら、3ヶ月以上の期間を空けるのがベストでしょう。
“プリン状態”を解消したいだけなのであれば、ヘアカラーのリタッチと同様に施術すれば解決しますが、その際には、前回よりも短い時間で切り上げることをおすすめします。
これによって頭皮のダメージを最小限に抑えることができるほか、髪の色にグラデーションがかかって自然な仕上がり効果を期待できます。
傷まない理想的な頻度は3週間?
上記では、全体染め、リタッチ、ブリーチともに、およそ3週間の期間を空けて施術する方法をおすすめしています。
髪が1ヶ月に1cm伸びるとすると、2週間では0.5cm伸びる計算になり、この時点で新しく伸びてきた髪がやや目立ち始めます。
つまり、このタイミングでヘアカラーやブリーチするのが最もきれいな状態を保てることになるのですが、そこには見落とせない落とし穴が潜んでいるのです。
それは、髪の傷みもさることながら、頭皮が受けるダメージです。
カラーリング剤やブリーチ剤には化学薬品が配合されていることが多く、あまり頻繁に使用すると、それが頭皮の乾燥や頭皮湿疹、かゆみといった頭皮環境の悪化につながることがあるのです。
このような頭皮のダメージは、カラーリングやブリーチを行なった直後から起こることがありますので、これらを行なって頭皮に異常が現れた場合には、少し我慢してヘアカラーやブリーチを先送りにしましょう。
知っておきたい髪の健康とヘアカラーの関係
髪は3層構造になっており、中心部にはメデュラ、それを取り巻くように存在しているのがコルテックス、髪の表面を覆っているのがキューティクルです。
たとえば、こんなことってないでしょうか?
ドライヤーの長時間使用や無理なスタイリングをしたあと、なんとなく髪がきしむ……。
短髪の場合ではあまり感じないかもしれませんが、やや長めに伸ばしている方の場合では、ドライヤーやスタイリングなどで髪が傷んでしまうことがあるのです。
髪がきしむということは、表面のキューティクルが傷み始めている可能性が高いのですが、これはドライヤーやスタイリングだけでなく、ヘアカラーなどで起こることもあるのです。
そして、髪がきしむレベルで留まればまだいいのですが、髪の傷みが進むと、やがてコンテックスやキューティクルにまでダメージが及び、最終的には切れ毛になることも少なくありません。コルテックスやメデュラにダメージが及ぶと修復が難しく、思い切ってカットするしか方法がないのです。
そうならないためには、髪の健康に目を向けて、頻繁なヘアカラーやブリーチを避けて通ることが最も重要です。
ヘアカラーするときは美容院のほうが良い?
結論からお話ししますと、ヘアカラーやブリーチは美容院にお願いしたほうが失敗しません。その理由は以下のとおりです。
色ムラが起こりにくい
セルフでヘアカラーやブリーチをする際、鏡で確認できる部分に関しては失敗しにくいでしょう。しかし、鏡で確認しにくい頭頂部となると、液がうまく行き渡っていなかったり、液が少なすぎたりして、色ムラが起こる確率が高くなります。
色ムラなく仕上げるのなら、やはり美容院の施術に勝るものはないでしょう。
頭皮がダメージを受けにくい
美容院では、頭皮ギリギリの部分まで液を塗り、頭皮に液が付着しない方法で施術してもらうことができます。
これにより、カラーリング剤やブリーチ剤に含まれる化学薬品から頭皮を守ることできます。
セルフでのヘアカラーやブリーチでは、頭皮に付着しないように液を塗るということ自体が困難なのではないでしょうか。
つまり、頭皮のダメージを最小限に食い止めたい場合でも、美容院で施術を受ける方法がおすすめできるということです。
アフターケアが万全
ほとんどの美容院では、ヘアカラーやブリーチ後に美容院専売品のトリートメント剤でしっかりとトリートメントを行なってくれます。
このようなトリートメント剤には脱色抑制効果を期待できる種類もあり、色持ちが長続きすることが多いのです。
それだけでなく、プロの美容師が髪質を見極めた上でトリートメントを行なうため、髪ダメージが少ないというメリットもあります。
このように、美容院での施術にはさまざまなメリットがありますので、セルフでの施術を行なっている方も、数回に1回は美容院で施術を受けることをおすすめします。
セルフでヘアカラーするならここに注意!
ヘアカラーやブリーチは美容院で行なうのがベストです。しかし、何らかの理由によって美容院を訪れることができず、セルフで行ないたいという方は多いはずです。
もちろん、セルフでの施術が悪いということではありませんが、セルフでヘアカラーやブリーチをする際には、以下の点に注意しなければなりません。
放置時間を守る
これが最も重要で、説明書に記載されている放置時間を大幅に過ぎた場合では、頭皮に思わぬトラブルが起こることがあります。
ヘアカラーやブリーチ剤の説明書やパッケージには必ず放置時間が記載されていますので、指定された放置時間を守り、できる限り安全にセルフカラーリングを行ないましょう。
なお、初めてヘアカラーやブリーチをする方は、必ず事前にパッチテストを行なっておきましょう。
それによって頭皮に異常が現れなければ、ひとまず使用しても問題ない製品だと判断できます。
他メーカー同士のカラーリング剤やブリーチ剤を混ぜて使用しない
カラーリング剤やブリーチ剤に配合されている成分はメーカーごとに異なる場合があり、他メーカー同士の製品を混ぜて使うと化学反応が起きて髪や頭皮に危険が及ぶことがあります。
セルフでヘアカラーやブリーチを行なうのなら、1回につき同メーカーの製品を使用し、他メーカー同士の製品を混ぜて使わないように注意しましょう。
頭皮に異常が現れたら皮膚科に相談しましょう
髪や頭皮はとてもデリケートで、ちょっとした刺激で枝毛や切れ毛ができたり、頭皮環境が悪化することがあります。
とりわけ、頭皮の毛穴からヘアカラーやブリーチ剤の成分が侵入すると、かゆみや赤みなどの異常が現れることがあります。
これは薬剤による一時的なアレルギー反応として捉えることができ、ほとんどは数日後に症状が治まります。
しかし、いつまでも症状が治まらないこともあり、この場合ではやや強いアレルギー反応として捉えなくてはならず、皮膚科での受診が必要になります。
皮膚科では、外用薬や内服薬を症状に応じて処方してくれますので、少しでもおかしいと感じたら、迷わず皮膚科を訪れて適切な処置を受けておくことが大切です。