便秘というと女性に多いイメージですが、年齢が上がるにつれて男性も女性も便秘になる人が増え、男性でも便秘に悩んでいる人が多くいます。今回はそんな男性の便秘の原因や解決方法についてご紹介します。
目次
男性の便秘の原因とは
便秘とは、排便回数が週2〜3回以下に減り、排便する時に困難を感じたり、便が硬くなる、残便感がある、便が出てもコロコロとした兎が出すような便しか出ないなどの症状が現れることをいいます。
また旅行や環境の変化などによって起こる急性の便秘と、運動不足などによって起こる慢性的な便秘、病気が原因で起こる便秘など、原因によってさまざまなタイプに分類することができます。
生活習慣の乱れによる腸疲労
男性は女性に比べてお酒を飲む機会が多いほか、外食による野菜不足、仕事でのストレス、睡眠不足など生活習慣の乱れがよくみられます。最近、臭いおならがよく出るという方は腸が疲労している可能性があるので注意が必要です。
臭いおならは腸内環境が乱れて悪玉菌が優位に立っているサインで、食べ過ぎや飲み過ぎが重なるなどして腸の機能が低下すると起こりやすくなる現象です。
腸疲労すると、食べ物を消化吸収する機能、水分を回収する機能、便を体外に排出する機能の3つの機能が低下するため腸の動きが悪くなります。その結果、便を排出する力が低下することにつながり、便秘の原因となってしまいます。
ストレス
腸はとてもデリケートです。腸は第二の脳と呼ばれるほど「感情」と深いかかわりがあり、脳で受けたストレスは腸に反映するといわれています。
私たちの体の中にある自律神経は、内臓の働き、体温、代謝などをコントロールするために意志とは関係なく働いています。
自律神経には私たちが活動しているときに活発になる「交感神経」と、リラックスしているときに活発になる「副交感神経」の2種類があります。「副交感神経」が優位な時は、蠕動運動が活発になり、腸内の不要な物が次々と押し出され、腸内環境にも良い影響があるといわれています。
つまり私たちが、引っ越しや仕事、人間関係などでストレスや緊張を感じると自律神経が乱れ、交感神経が優位となってしまい便秘を招いてしまうのです。男性は女性にくらべてストレスを発散させることが苦手で、ため込んでしまいがちな為、ストレス性の便秘の方も多くみられます。
病気
服用している薬や病気が原因で便秘を引き起こしていることもあります。
糖尿病やコレステロール薬、高血圧薬、抗うつ薬、パーキンソン病、鉄剤やカルシウム製剤などの薬を服用している方は、その薬が原因で便秘となっているケースも考えられます。また糖尿病や甲状腺機能低下症、尿毒症や、強皮症、パーキンソン病、うつ病、なかには大腸癌によって便秘を引き起こしていることもあります。
病気などの体の異変による便秘のケースは、便秘症状だけでなく、大腸癌の場合には体重減少と倦怠感、甲状腺機能低下症であれば疲れや浮腫み、糖尿病は目の見えにくさや、手足の感覚障害などが同時に起こるので、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
便秘の解消法とは
食事
便意が起こりやすい時間帯は朝食後といわれていて、朝食を抜いてしまうと腸に刺激が与えられず便意を感じる前に1日がスタートしてしまいます。
忙しいから、食欲が湧かないからと朝食を抜いて三食きちんと食べなかったり、食事の時間のばらつき、外食や飲み会など不規則な食生活や偏った食生活を送っていると、腸への刺激がきちんと送られないため便秘になってしまうのです。
特に仕事の残業や会社の付き合いで飲み会などが多く、自炊をしないことの多い男性は、食生活を見直すだけで便秘が改善する方も多くいます。
ここでは便秘改善効果が期待できる食事法についてご紹介していきますのでチェックしてみてください。
プチ断食をする
食べ過ぎると胃腸に負担がかかり食べ物を消化、吸収する力が低下してしまいます。食事を食べすぎてしまった時には半日から1日食事をとらずに腸を休ませるプチ断食がおすすめです。断食後は消化の良いものを食べるようにしましょう。
断食が辛いという方には食事の変わりにヨーグルトやリンゴ、野菜ジュースや野菜スムージーなどと置き換えて腸の疲労を回復する方法もあります。
朝一杯の水
起床後、朝食前にコップ一杯の水を飲んで空っぽの腸を刺激することで、便通を促してくれます。硬水のミネラルウォーターにはマグネシウムが含まれるため特におすすめですよ。男性は、女性に比べて水分を摂る量が少なめだといわれています。
水分不足は、便が硬くなり、便秘の原因になるため、一日1.5リットルを目安に水分を摂取するようにしましょう。ただし、冷たすぎる水分や、糖分を沢山含んだ清涼飲料水などはは腸の働きを抑えてしまう危険性があるため注意が必要です。
できるたけ、無糖、且つ、常温以上の冷たさの水分を摂取することを心がけてみてください。
食物繊維を意識する
食物繊維は、腸にたまった便や毒素を取り除いてくれる効果があるため、積極的に摂取してほしい栄養素です。水分を溜め込む不溶性食物繊維とゴミをからめとってくれる水溶性食物繊維があり、2対1のバランスで摂取することが理想的とされています。
不溶性食物繊維は、ライ麦や、玄米ら根菜、芋や豆類などに、水溶性食物繊維は、海藻、キノコやこんにゃく、果物や海藻などに含まれています。
そこで食物繊維豊富な野菜中心の和食をチョイスし、プラス水溶性の食物繊維である、海藻、キノコ、こんにゃくなどを意識的に摂るよう心がけましょう。
朝食には、リンゴなどの果物をつけたり、ワカメのみそ汁をチョイスする、昼食にコンビニでお弁当を買う際には、海藻サラダを追加する、ご飯は、玄米をチョイスするなど毎日の食生活に少しプラスして2種類の食物繊維を上手に摂取しましょう。
便通をよくするおすすめの食材
- おからヨーグルト
- もち麦ご飯
プレーンヨーグルト100gにおからパウダー大さじ4を入れます。おからに含まれる食物繊維と乳酸菌であるヨーグルトで腸内環境が改善し便通が良くなるとされています。
白米ともち麦2:1の割合で炊き、1日2回以上食べると効果が期待できるといわれています。もち麦は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を両方含む穀物のため、ダイエット効果も期待できる食材です。
その他にも食物繊維が豊富で便通が良くなる食品として干し柿、プルーン、ヨーグルト、きな粉、そば、ドライフルーツ、ごぼうなどが挙げられます。ただし、同じものばかり食べるのではなく色々なものをバランスよく食べるようにするといいですよ。
腸運動やマッサージ
便秘には、適度な運動が必要ですが忙しい毎日の中で運動を行うのは難しいですよね。そんな時は腸運動やマッサージがおすすめです。食生活や生活習慣などで腸が疲労していると腸の動きが悪くなるため、腸に刺激を与えることで便がでることがあります。
腹式呼吸
鼻からゆっくり息を吸い込みお腹を膨らませます。お腹が膨らんだら、鼻や口からゆっくり息を吐いてお腹を凹ませてください。仰向けになりお腹に手を当てながら行うと分かりやすいのでおすすめです。
ゴロゴロ寝
頭の方に向かって両腕を伸ばし、うつ伏せになります。ゆっくりと左にごろんと仰向けになります。元に戻って右にごろんと仰向けになるのを繰り返します。動きはゆっくりと1日3分程、起床時や就寝前がおすすめです。
ツボ押し
左肋骨(ろっこつ)の下あたりから親指以外の4本分の所を指で押します。腸に沿って左右の手を交互に押して骨盤まで押していきましょう。こちらも起床時や就寝前がおすすめです。
もみほぐし
左手で左肋骨の下、右手で右の腰骨のあたりをギュッと掴みます。掴んだらゆっくりともみほぐしていきましょう。両手とも上下を入れ替えて3分程行っていきましょう。
- 腸さすり
利き手どちらかの手のひらをお椀のような形にしておへその上に置きます。手首の付け根のやわらかい部分と指先がおなかに触れるようにして右から左、左から右と交互にゆっくりさすっていきます。慣れてきたらどちらかのおへその位置から動かさないようにさするスピードを徐々に上げて小刻みに動かしていきます。こちらも3分程度行っていきましょう。
排便姿勢
トイレで排便する際の姿勢は、両かかとを上げ、前かがみになり踏ん張るようにしましょう。この姿勢にすることで肛門に力がいれやすくなりますよ。またトイレに腰かけ上半身を右、左とゆっくりひねりトイレタンクにタッチすることで腸が刺激されるため、こちらも良いストレッチになりますよ。
もみほぐしや腸さすりは、食後1時間は避けるようにしましょう。
薬
食生活や生活環境を変えても便秘が治らない場合には、病院を受診し薬を服用し治療する方法があります。強制的に腸管運動を活発化させる刺激性下剤や排便の反射を誘発する浣腸、低下した胃運動を亢進させるなどの種類があります。
刺激性下剤には、アロエ、コーラック、センナ、センノシドなどの種類があります。しかしこれらの薬は長期間服用することによって、大腸の神経や筋組織を損傷してしまいかえって便秘をこじらせるケースも少なくありません。
医療機関の指示にしたがって必要時に服用するようにしましょう。さらに、体質により、合う合わないなどもあり、防風通聖散や桃核承気湯などの漢方を服用する方もいます。
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便秘を解消して健康な毎日を
便秘は、体や心に様々な症状をもたらします。生活習慣を見直し、上記の解決法などを試して健康な毎日が過ごせるといいですね。